濡れたこひつじ

なんてことのない大学生の日常

本日記_卵の緒

どうも、ぬれこじです。

 

今月一発目は瀬尾まいこさんの『卵の緒』を読みました。

 

多様な家族の形を描いた2話が収録されています。

瀬尾まいこさんの『天国はまだ遠く』という本を以前読んで、当時自殺を考えるほど精神的に参っていたのですが大変救われたのを覚えています。依頼瀬尾さんのファンになり、今回も手に取りました。

 

瀬尾さんの作品は、愛に満ちています。愛とは、誰かを強く思う気持ちだと思いますが、その思い方、伝え方、受け止め方は本当に人それぞれですよね。瀬尾さんの作品の登場人物は各々が愛を持っていて、必ず話のどこかでその愛を見せてくれていると感じます。私が彼女の作品を読んで涙するのはなぜでしょうか。愛に飢えているのかな。それとも、今まで受けた愛を思い出すからなのかな。

 

表題作「卵の緒」では、最後に母親の君子さんの告白シーンがあります。このシーンの君子さんの話の仕方、伝えたい事の伝え方、それにとても感銘を受けました。素直に、本当に素直に、ありのままに、自分の話をするんです。私は人と話すとき素直になろうと思ってもどうしてもどこか意地を張ってしまって、相手と張り合ってしまったり言いたくないと思っていることが口をついてしまったりと失敗することが多いです。でも、人との関わりにおいて大事なことは本当に素直な気持ちになって自分と、相手と向き合うことなんじゃないかな、と思わされました。

素直な気持ちでありのままでお話をした後は、ちょっぴり恥ずかしくなったり反省したり(どう思われたかな。)と心配に思ったりしつつも、とってもすがすがしい気持ちになるものです。

 

家族のあり方、というのがテーマにも思われますが、根幹にあるのは「人との関わり方」という、人としてとても大事なことだと思います。家族がいる人もいない人も、万人が温まれるような温かい小説だと思いました。楽しかったです。ありがとうございました。