濡れたこひつじ

なんてことのない大学生の日常

本日記_氷菓

どうも、ぬれこじです。

 

本日の本日記は米澤穂信氷菓』。

人気「古典部シリーズ」の一作目ということで、おすすめされて読みました。

今日は米澤穂信さんの『氷菓』を読んでいます。

米澤さんの『満願』を読み、その仕掛けの面白さ、人間味のにじませ方に感銘を覚え、知人に紹介された「古典部シリーズ」である本作も手に取る運びとなりました。

 

結論から言うと、高校生っていいなあ!!という感想を抱きました。

大学に入り、卒論や進路に悩み昼夜頭を抱えている自分にとって、そうした先のことでなく、「今ここ」の時間、永遠にも思える例えば放課後などに謎解きに尽力する、そうした古典部の面々に羨ましさを感じました。

 

放課後、って特別な時間でしたよね。薄暗い校舎、人気のない中庭、上靴が並べられた靴箱の独特なにおい。そうした特別たちが特別な空気を作っている、そんな時間でした。

 

さあ本題の内容というとミステリ小説といえど、死人が出たり閉鎖的な空間に閉じ込められて突然得体のしれない「支配人」からの指令が届いたり、なんてことはなく、折木たちの暮らす日常に潜む謎を解いていくというスタイルで軽く読むことが出来ます。

 

米澤さんの『満願』を読んだ後だけに、どんな奇想天外な展開が仕掛けられているのか、と半ばワクワクしながら読んだのですがあくまでこちらは日常が繰り返されていくという構成で、最後まで読んで少し拍子抜けしてしまいました。これは私の事前情報不足によるものですので作品自体になんら問題はありません。ただ感想として記録しておきます。

 

シリーズものということで、今後どのような展開になるのか楽しみな作品です。

 

先述の通り出てくる謎が比較的あっさりとしているので、読み進めながら自分で推理していくのも面白いですね。「氷菓」に込められた謎、皆さんは解けましたか?

 

折木の言う「薔薇色」の高校生活を送った(と自負している)私ですが、彼のように自由に、縛られず飄々と生きてみるのも楽しかったろうな、と思わされました。小説を読んで楽しいのは、他者の人生を追体験できるところでもありますよね。

 

先ほどは拍子抜けした、なんて言いましたが米澤さんの本は他のものも読みたい、と強く思わせる何かを持っています。その証拠に先日また別の著作を買ってしまいました。

 

しばらく米澤ワールドに浸りたいと思います。